私が絵描きになった理由

f:id:ateliersalvador:20190130221245j:plain昨日ETVの「ヘウレーカ!」に、大学院の指導教員の 柏野牧夫先生が出演していて、聴覚研究の奥深さについて又吉直樹さんと話していた。(お元気そうで本当に何よりです。) メインテーマは「空耳はなぜ聞こえるか?」良かったらNHKオンデマンドで見てみてください。

www4.nhk.or.jp

感傷的な気分になって、何かTwitterに書こうとしては消し、blogに書こうとしては消しして、今まさにまたblogに書いている...。

「前は研究者志望だったんですよね。なんでまたいきなり絵描きになったんですか」と聞かれる。実は、未だにうまく答えられない。2012年の春頃、小田急線相模大野のホームにいるとき「絵描きになるのが良い。そうすれば色々な"流れ"がシンプルになる」という天啓が降りた。当時、海外派遣先での研究がうまくいかなかったり、博士課程の在学期間が一年伸びることが決まったりして、神経が相当まいっていた。それで「シンプル...いいなあ。絵描きになろう」と決めてしまった。

天の声?は多分正しかった。水彩画を少しずつ描くようになって、私は相当楽になった。絵は、言葉で語る必要がない。もともと直感を得やすいタイプの人間だった。神経がまいればホームで天の声も聞くし、文字の上に他の人に見えない謎の色を見る (グラフィムカラーの共感覚がある)。研究をしていた頃、そういう「言葉で語ることが難しいもの」のたぐいに無理に言葉で迫ろうとして、結局迫りきれずじわじわ神経を痛めた気がしている。

...にも関わらず、また今このpostを言葉で書いている。全く懲りてない。「かつて研究していたことと、今していることは強く地続きになっている」と伝える必要がある気がしている。自分のことだけでない使命?のようなものを感じる時もある。それでまた唸りながら書いては消し、書いては消ししている...。

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博論。柏野先生、本当にお世話になりました。