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6日目。残り2日。
スケッチセットはこんな感じになった。ホワイトのチューブが重かったので、中身を別の場所に出してかさを減らした。
ヴァン・ゴッホ美術館とアムステルダム国立美術館 (Rijksmuseum) に行く。ミュージアム広場 (Museumplein) という公園をはさんで隣接している。
ヴァン・ゴッホ美術館は撮影禁止だった。
スケッチなら取ってもいいかな。
描いているとき、何人か話しかけられた。女性の方が一人、延々知らない言語で話しかけてきて大変だった。しばらくして「どちらの国ですか」と英語で聞いたら「フランスです。簡単な英語なら話せる!」と英語で言われた。そうでしたか。
ゴッホ先生、ほとんど水彩画を描かなかったらしい。4階の隅に1作だけ、公園の木を描いた水彩が展示されていた。美しかった。でも、その1作以外は描かなかったらしい。どういう画材が自分の肌に合うか、人によって全然違うんだろう。
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アムステルダム国立美術館に移動する。
あっ...牛乳を注ぐ女
牛乳を注ぐ女だ...。贅沢な旅になってしまった気がする。
夜警。高校の世界史の資料集で見た。
今、夜警 (絵画) - Wikipedia を見ていたら "通称の『夜警』は長い間、この絵画の内容によく合ったものと考えられてきたが、これは絵画の表面が茶色く変色したことによる誤解である。実は、この絵画は昼の情景を描いている。" と書いてあって、ちょっとびっくりした。
絵の解説文に「オランダの黄金時代」を懐かしむ記述が多い。アムステルダムという街は、人類史において「絶頂期を経験し、現在は役割を終えた街」なのだと思う。自分はそういう国や街が帯びる"穏やかさ"が結構好きだ (この感覚は、京都で生活したことと関係するかもしれない。)
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歩いてアムステルダム中央駅方面に向かう。市内はあまり広くないので、運河を辿っていけばすぐに着ける。
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アムステルダム中央駅構内。
駅ピアノ。どうしてもあのピアノに触りたい...。しばらく待つ。
順番待ちの間、自分の前に弾いていたお兄さんを描いてみた。
お兄さんの背景を暗くしようとして、あちこち大変なことになる。思ったような暗さにならない。絵を見ながら落ち込んでいると、ピアノを弾き終わったお兄さんが近くに来て「これ僕?描いてくれたの?ありがとう!」と言って、喜んで写真を撮って去っていった。
お兄さんのあとに「猫ふんじゃった」を一回弾いて、周りの人から拍手をもらった。
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ホテルに戻り、再び落ち込む。現場スケッチで人を描くなら「失敗」は許されない。つまり、絵描きが「失敗した...」と思っても、中に描かれた人に、そんなこと言えない。
(7日目/8日目最終日に続く)