雨と木

f:id:ateliersalvador:20210519170629p:plain

雨と生えたての木 (24.2 x 33.2 cm)

...

あいかわらず玉川上水にいる。きょうは雨だった。

f:id:ateliersalvador:20210519171613p:plain

雨のスケッチ、乾かない、絵に雨がぼたぼた落ちてくる、跳ねた雨で緑道の土が飛んでくる (絵の中の点々もいくつか土だったりする)。描いてるはしから絵がぐしゃぐしゃになる。だけど結構楽しい。そういう状況なりに、いま描いているものを持ち帰るとして、どうするといいだろう?みたいなことを考えたりする。

緑道、若木がたくさんある。秋にはどんぐりがたくさん落ちてくる。

 

スケッチ

f:id:ateliersalvador:20210517201317p:plain

がくあじさい。緑道の近くで見た。

...

天気がくもりの日、落ち着いてものが描ける。晴れの日に外で描いてると、変わる光を追ってるうちに、何を描いてるのかだんだんわからなくなってくる。

しばらく太陽の出ない日が続くらしい。植物のスケッチを取って帰る。

 

玉川上水緑道

f:id:ateliersalvador:20210512205250p:plain

玉川上水緑道 (33.2 x 24.2 cm)

...

けさ、夢の中でスケッチを取っていた。山奥のダムを展望台から描こうとして「どうもしっくりこない」とか言いながら悩んでいたら、同行の人から「これ、使ってる筆が細すぎるんじゃない?」という声が上がって、はっとして目が覚めた。 

「それはある」と思った。ここのところ、細い面相筆ばかり使っていた。絵の具を溶くとき、一度に取れる量が少なくて困ったりした。

大きい筆を使うことにした。

f:id:ateliersalvador:20210512215124p:plain

日本画で使う連筆。どうしてもスケッチバッグに入らなかったので、竹軸の端をのこぎりで落として、マスキングテープで塞いだ。紙もふた回り大きくした。

 ...

f:id:ateliersalvador:20210512212635p:plain

のびのび描ける!これでいこう。思い切りだ思い切り。

ランニング中の女性から「素敵ですね。水彩ですか」と声をかけられた。その後、絵ができあがるまで横で見ていてくださった。水彩の教室に通いはじめて、ご自宅でも花を描いているとのことだった。鉢植えの花を描いた絵を携帯で見た。お花への愛情を感じる絵だった。いいなあと思った。描いた人が「何かを大事にした」とわかるのはいいなあと思う。本当、それだけでもいいと思う。

 

玉川上水緑道

f:id:ateliersalvador:20210509213533p:plain

日に透けて光る葉を描きはじめたら、上からの木陰に入って、透けなくなった。10分間のできごとだった。10分は短い。思い出で描こうとしたけど難しかった。また行こう。

...

樹木のスケッチ、面白い。樹木を描くとき「ものを見る仕組み」に近づく感じがする。人間の遠い先祖、刻々と光の条件が変わる環境で、たくさんの葉に遮られながら、味方を見つけて、敵を避けて、水と赤い実を探して生きてたんだろう。その能力の名残が私たちの視覚の基礎にあるんだと思うと、ちょっとロマンを感じる。

 

それはそれとして、なんとか絵を仕上げていきたい...。 

 

 

玉川上水緑道

f:id:ateliersalvador:20210508203430p:plain

玉川上水緑道 (20 x 14 cm)

...

少し近づいた。

f:id:ateliersalvador:20210508203535p:plain

「光が透けている葉っぱ」を持ち帰りたい。水彩だから持って帰れる、独特の情報があると思う。

現地スケッチ、貼り付いて描いてるうちに、少しずつ"それ"に近づく感じが好きだ。その場所が持っている、固有の"何か"みたいな。

  

くもりの日

f:id:ateliersalvador:20210508202408p:plain

くもりの日 (20 x 14 cm)

...

売店。緑道と水路の向こう側にある。

スケッチセットのセッティングを変えた。絵の具と筆の数を減らして、水筒の水を100ccだけにした。やることが色々あると迷ってしまう。迷いながら画面に水を入れると、それだけで紙がぐしゃぐしゃになっていく。

 

玉川上水緑道

f:id:ateliersalvador:20210506164843p:plain

玉川上水緑道 (22 x 15 cm)

...

2時間くらい貼り付いて描いた。難しい。おとつい描いた方が近い。最後まであきらめない気持ちを発揮して、一番暗い色を置いた。

2時間いると、光の角度が変わって、さっき光ってた葉がもう光ってなくて、隣の葉が光りだしたりする。肩もこってくる。

新緑、どうしたら持って帰れるだろう? おとついと何が違う?

 ...

f:id:ateliersalvador:20210506171050j:plain

昨日の一枚。くもりで道に光がなかった。

「紙の中にうっかりできてしまった光」を潰すみたいにして描いた。(ちょっと悲しい)

明日はくもりらしい。少し考える。

 

玉川上水緑道

f:id:ateliersalvador:20210504233637p:plain

玉川上水緑道 (21 x 15 cm)

...

玉川上水に新緑を描きに行っている。

同じ場所にずっと通って描いていると、なんとなく「もしかして、こういうこと?」と思う瞬間がある。

f:id:ateliersalvador:20210504213554j:plain

昨日この絵を描いている時「今、なんかわからんけど、絵から一気に"光が消えた"」と思う瞬間があった。左側のどこかだと思う。そこに絵の具を置いた瞬間、紙の中から一気に"光"がなくなった。

f:id:ateliersalvador:20210504213645j:plain

たぶん、紙の各所が放つ反射光と、風景の各所が放つ光の特性が「食い違う」時、そういうことが起こるんだと思う。

まとめると「よく見て描こう」ってことになる。

それできょうは、落ち着いて「よく見て描く」ができるように、絵の具を濃いめでだぶだぶにといて、ゆっくり、紙の上端からおろして、ちょっとずつ描くようにした。

きょうの絵もまだ食い違いが大きい。それでも、昨日より少し近づいた。

 

表参道

f:id:ateliersalvador:20210425170800p:plain

表参道 (22.7 x 15.8 cm)

...

緊急事態宣言の発出前、どうしてもお伺いしたかった展示に立ち寄った。交差点にかかる歩道橋から描いた。

描いてる時、インターナショナルスクールの学生さんから「この絵はいくらですか?」と聞かれた。価格を言うと「あーごめんなさい、ちょっと高い」とのお返事だった。このエリアに住んでる人は、カジュアルに絵を買うんだなあと思った。

道端で絵の値段を聞かれて「高いです」と言われるのに慣れてきた。それでいいかというと、わからない。

 

玉川上水

f:id:ateliersalvador:20210421121457p:plain

玉川上水を描きに行っている。小さな水彩紙、絵の具ボックス、3本くらいの筆、筆洗、そのほかバッグに少しだけ詰めて、ぼんやり描く。

f:id:ateliersalvador:20210421235407p:plain

新緑(15.8 x 22.7 cm)

 

f:id:ateliersalvador:20210423234456p:plain

緑道 (22.7 x 15.8 cm) 

...

また緊急事態宣言が出る。TwitterやFacebookに悲しみ、戸惑い、怒りの声が投稿され続けている。もっともだと思う。悲しい。

しばらくの間ここでスケッチを取って過ごす。 

 

少しだけとっておきたい

f:id:ateliersalvador:20200909170301p:plain

もも (はがきサイズくらい)

...

絵の教室で先生やクラスの方とお話ししているとき、口が勝手に話す。

だいぶ前の教室で「自分がこの世から消える時、描いた絵が残るとして、整理する人が『この絵、捨てたら呪われそう』とかでなく『あ、いいな。少しとっておきたい』と思ってもらえるような絵が描きたいです」と言ったら、笠井先生は「もう死んだ時のこと考えてるの」とおっしゃって笑った。クラスの方も笑っていた。言った自分は、言ったことを耳から聞いて「え、そんなこと考えてたの」と思った。

最近、自分の描いたものを見返して「呪われそう」と思う。

ずれている。

絵を売って生きていきたい。自分の好きなものを好きなだけ込めて、大切に描きたい。気楽な気持ちで大事に描いた絵を、気楽に売って生きていきたい。 

 

東京駅

f:id:ateliersalvador:20210420002214p:plain

東京駅 (22.7 x 15.8 cm)

...

東京駅を描きに行った。

f:id:ateliersalvador:20210420002319j:plain

KITTEの屋上から。ここまで描いた時点で、警備員さんが来て「20時なので閉園です」と地上に降ろされてしまった。今は緊急事態だった。

残りは写真と思い出で描いた。