「水の流れに逆らわない」

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昔描いた水彩: 2012年頃、絵の学校(セツ・モードセミナー)で描いた人物画。

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セツ・モードセミナーのカリキュラムには「人物水彩」という、着飾った人物を見ながら3時間程度で大判の絵を仕上げる授業があった。この絵はその授業中に描いた。家に絵の具セットを忘れて、同級生の絵の具を貸してもらった。アイディアもスケッチも何もなく、ぼんやりと紙に水を引いているとき、頭の中から「水の流れに逆らわない」という声がした。

人物水彩の授業では、いつも最後に全員の絵を壁に並べて、先生と生徒が品評する。何人かが「不思議だね」「面白いね」と言ってくれた。この絵が「気になる」と思ってくれた人がいることが嬉しかった。あの学校の授業では、人物は依り代で、めいめいが自分の絵に何か「降ろす」ことができれば、それで良かったのだと思う。