敬意

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桜の枝 (13.5 x 18.5 cm)。駅の花屋さんで買ってきた。

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去年の今頃、井の頭公園でお世話になっているさぶりゆきこさんが桜のスケッチをグループ展で展示していた。素敵な絵だった。紙白の多い小さな絵で、桜が紙の向こうに「本当にある」感じがした。さぶりさんはじっくり観察して、丁寧に鉛筆と筆を動かす。自分がつい適当に描いてしまうかもしれないところを、さぶりさんはひとつひとつ丁寧に追う。

以前、戦艦画を描く画家の方とお話をしていて「絵が雑になってしまうんですが、どうしたらいいでしょうか」と尋ねた。その方は「描く対象に敬意を払うんです。そうすれば自然と整ってくる」とおっしゃった。

自分は、描く対象を敬っていないのか...。分からない。技術が足りないのか。見る力がないのか。「敬わない」ことで何かを表そうとしているのか (この世には、そういう絵があると思う)。それとも、単に雑なのか。何を大事にするかは、絵描きによって全然違う。自分が大事にしているものは何なのか。自分はまだ言葉にできていない。例によって、言葉にするのが恐ろしい気がする。