赤ちゃんがやってきた。男の子だ。
やってくるまでが大変だった。分娩室で24時間朦朧としていた。正直、陣痛をなめていた。自分の身に起きたことを未だにうまく理解できない。あれは「痛み」というより「早く人間をやめて獣に戻れ」という身体からのシグナルだと思う...。激烈な痛覚を延々やらされて「人」であることを失わないと、お産のプロセスが終わらないのだった。とにかくなんとか終わった。
赤ちゃんは思ったより大きかった。エコー検査で「標準より小さい」と言われていたから、ずっと心配していた。今のところ元気で、特に大きな異常はないらしい。
入院中、ソーシャルワーカーさんが病室に来てくださった。心理士さんもやってきて、今後についての話を聞いてくださった。「自治体に連絡を取ってもいいですか」と尋ねられたので「大丈夫です」と答えたら、退院してすぐ自治体の助産師さんがやってきて、授乳や沐浴の手順を教えてくださった。わからないことだらけだったので、本当にありがたかった。
赤ちゃんは昼夜関係なくお乳をほしがる。眠い。3時間ごとのお世話をしながら、時々スケッチを取らせてもらっている。