らくがき: 御せないもの (Doodle: What We Cannot Control)
14.8 x 10 cm
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何が「御せない」なのかというと、こんな色が出ると全く思わなかったということです。。らくがきのタイトルは、描きあがってからなんとなくで決めています。
phaさんの「pha書店」&一箱古本市 (at 南阿佐ヶ谷・枡野書店) 、お越し頂いた皆様、本や絵を手に取ってくださった皆様、ありがとうございました。良いことがたくさんありますように。
会場で描いたらくがきたちです。
ひこうき (An Airplane)
遠くからの船 (A Ship from Far)
ひとびと (People)
電車 (An Electric Train)
14.8 x 10 cm
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phaさんの「pha書店」は、新刊「がんばらない練習」と同人誌「夜のこと」を売るphaさん、古書を売りつつ研究相談に乗るTajimaさん、古書と試験管やガラス玉を売るまくるめさん、絵とポストカードを売る自分の4人で、穏やかな空間でした。楽しかったです。
自分にとってらくがきは「がんばらない練習」に近いものかもしれないです。
明日7/28(日)の15時 ~ 20時、phaさんの新刊「がんばらない練習」の発売記念イベント内「一箱古本市」で、水彩の絵とらくがきのお店を出します。良かったら遊びに来てください。南阿佐ヶ谷・枡野書店さんです。
7月28日(日)の15時〜20時、新刊『がんばらない練習』の発売を記念して、pha書店というイベントを南阿佐ケ谷の枡野書店でやります。『がんばらない練習』と文フリで出した『夜のこと』を売ります。書き下ろしのエッセイも配布します。一箱古本市も開催します。気軽に遊びに来てください pic.twitter.com/sZWjoeDQU4
— pha『がんばらない練習』7/24 (@pha) July 19, 2019
phaさんは大学の学部の先輩で、はてなとTwitterを通して細々とお話をさせて頂いたりしていました。総合人間学とは何だったのだろう...。新刊の「がんばらない練習」は結構ダウナーなエッセイなのですが、読んでいるとなぜかほっとする不思議な本です。
トマス・モアの「ユートピア」を読んだ。
ユートピアの語源になった本と聞いて、前から気になっていた。 1516年出版の本。このころ日本は戦国時代をやっていた。1543年鉄砲伝来、1549年にザビエルがキリスト教を伝えに来ている。
一通り読んで、この本は「ぼくのかんがえた最強の国家」の設定を書き連ねたものと理解した。
一応の筋立てはある。トマス・モアと思しきイングランド人が、旅先で出会った船乗りから「ユートピア国」という南方の国家の話を聞く。船乗りはユートピア国の素晴らしき社会制度、秩序立った生活、聡明な人々の様子について (文庫本一冊分にわたって) ひたすらほめたたえ続ける。法制度、財産制度、教育制度、医療制度、奴隷制度、戦時体制、宗教制度... 考えうる限りのあらゆる制度という制度について、詳細な設定が用意されている。幼い頃から高等教育を受けたユートピア人は、制度に従い秩序立った人生を送る。彼らが何を考えているかについては、特に記述がない。
印象に残った設定をいくつか書くと
- 「金銀・貨幣は不潔なものであり、尊ぶことで災いがもたらされる」という感覚を養うため、ユートピア人は子どもの頃から金銀で便器や奴隷を繋ぐ鎖を作ることを覚えさせられる
- 結婚する者たちは、思慮深い有徳の長者の介添えで互いの裸体を見せ合うことになっている。何か気に入らないことがあった場合、この時点で相手に告げなければならない。また夫婦の契りを破壊した者は奴隷刑に処される (しかしユートピア人達は愚かではないので、そのような事態は滅多に生じない)
- 他国と戦争が起きた際には、ザポレット人という別国の人間を雇って戦線に送る。(彼らは生まれつき頑健で、美食を好まず、粗末な生活をしており、ただ戦争するために生まれてきたような人間達なので、こうした用途に丁度良い)
- ユートピア人は知力・精神性ともに優れており、全ての戦争に勝つ
「ぼくのかんがえた最強の国家」なので、ご都合主義的な設定も全て許される。
トマス・モアはイングランド王国有数の法律家だった。国を代表する専門家として、国内外で起きる大小様々の揉め事に対応しているうち、現実が嫌になったんだろう。「Utopia」という言葉は「どこにもない」と「良い」の音を組み合わせてモアが作った造語だという。「こんな国絶対ありえない」なんてこと、書いた本人が一番良く知っている。1534年、モアはヘンリ8世の離婚に反対したかどで王から反逆罪を言い渡され、翌年斬首刑に処されている。
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自分の妄想をまとめて世に出しておくと、後の人々に伝わって、妄想が現実になる可能性が少し上がったりするのかもしれないとも思う。
以前線路があった土地 (The land where there was a railway track before)
33.2 x 24.2 cm
千葉県大網白里市・大網駅の貨物線跡。
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1日1枚製作。以前より少し大きめの紙に描いている。一応続いている。
以前駅のあった場所 (A place where used to be a station)
33.2 x 24.2 cm
静岡鉄道駿遠線の廃線跡。静岡県吉田町の遠州神戸 (えんしゅうかんど) 駅跡。
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マスキングで紙白を抜いて道の白線を表してから三角の暗い影を描いた。終わってから、参考にしている元の写真と比べて、絵の中の白線がかなり暗く見えることがわかった。道路の白線は影や陰の中でもはっきり見えるように設計されているので、紙を白抜きして表した白とは暗い中での存在感が違うのかもしれない。
白線の塗料の成分を調べた。
水、酸化チタン(Ⅳ)、シリカ、その他
酸化チタン。絵の具の「チタニウムホワイト」と同じ成分だ。紙の上からチタニウムホワイトを塗れば、近い反射率を再現できるだろうか。
描くと色々発見がある。