アトリエ・サルバドールの冒険

水彩絵描き・ますとみけいのBlogです。

雑記

自信を持って生きる (亡くなったKさんの思い出) (7)

自信を持って生きる (亡くなったKさんの思い出) (6) ... (6から続く) 飛行機の絵をKさんに渡した後、私は、Kさんにあまり「絵を描きませんか」と勧めないようになった。そのかわり、個人的な製作をいくつか進めた。 4月に入ってから、新しい仕事が始まった。…

自信を持って生きる (亡くなったKさんの思い出) (6)

自信を持って生きる (亡くなったKさんの思い出) (5) ... (5から続く) Kさんの年賀状と下書きの束を見て以来、私は考える時間が長くなった。 同じ夏、1枚の製作に時間をかけた結果、やる気がなくなっていた。夏の日に現地スケッチに行って、数百枚の写真と何…

自信を持って生きる (亡くなったKさんの思い出) (5)

自信を持って生きる (亡くなったKさんの思い出) (4) ... (4から続く) Kさんがあまりにかたくななので、私は逆に面白くなってしまって、食堂でKさんにしつこく「絵を描きませんか」と言い続けた。 「Kさん」 「本当にしつこい人ですね...絵の話でしょう」 「…

自信を持って生きる (亡くなったKさんの思い出) (4)

自信を持って生きる (亡くなったKさんの思い出) (3) ... (3から続く) 私とSさんは、Kさんの携帯に連絡しつづけた。 午後の3時を過ぎても、Kさんからの応答はなかった。 Sさんが言った。 「家で倒れてたりするんじゃないですか」 「これはもう、私たちではま…

自信を持って生きる (亡くなったKさんの思い出) (3)

自信を持って生きる (亡くなったKさんの思い出) (2) ... (2から続く) 私は、前からずっと気になっていたことをKさんに聞いてみた。 「Kさんは、修行をされているんですか」 「そう、修行してる」 「どういう修行なんですか」 「坐禅を組み、大声を出して鈴を…

自信を持って生きる (亡くなったKさんの思い出) (2)

自信を持って生きる (亡くなったKさんの思い出) (1) ... (1から続く) Kさんは無口で、謎の多い人だった。13時頃の遅い時間に研究所にやってきた。乱れた衣服を着て、顔を真っ赤にしていた。 Yさんから「Kさんは、道場で修行をしてるんですよ」と教えてもらっ…

自信を持って生きる (亡くなったKさんの思い出) (1)

2020年の1月、Kさんという方が亡くなった。飛行機の研究所で働いていたときの上司さんだった。 ずっと、この人との思い出を書きたいと思っていた。 私は、Kさんとの3年間の関わりを通じて「自信を持って生きる」とはどういうことかを教えてもらった。教わっ…

Blogの更新を少なくします

2016年にBlogをはじめて以降、絵を描くたびにBlogを一つ上げていたんですが、更新頻度を落としてみることにしました。最近、絵を描いている途中から、頭の奥で「言葉が目立つ」ような、絵が文章の存在を前提にしているような、ちょっと妙な気持ちになること…

玉川上水緑道

玉川上水緑道 (33.2 x 24.2 cm) ... 玉川上水に行ってきた。 玉川上水の若木、幹がひょろ長くて、緑道の方にまっすぐ枝を突き出してくる。木の多いところに落ちたどんぐりは、芽吹いてすぐに丈を伸ばさないと先に伸びた木に光を奪われて成長できない。だから…

スケッチ

スケッチ。F4の紙の隅に描いた。 ... 大原写生会オンライン2021が終わった。 セツ・モードセミナーの長沢節先生を描いた。 (#大原写生会2021 #oharasketch2021 ) pic.twitter.com/CsluBbgZA5 — ますとみけい : 水彩絵描き (@kei_masutomi) 2021年5月30日 5/2…

玉川上水緑道

玉川上水緑道 (33.2 x 24.2 cm) ... 久しぶりに晴れた。緑道に行ってきた。 折りたたみの椅子を持っていった。落ち着いて描ける分、どんどん筆を置いてしまう。途中から「よし、もうこれはえいやでいこう」という気持ちになって、思いっきり描いたり消したり…

少しだけとっておきたい

もも (はがきサイズくらい) ... 絵の教室で先生やクラスの方とお話ししているとき、口が勝手に話す。 だいぶ前の教室で「自分がこの世から消える時、描いた絵が残るとして、整理する人が『この絵、捨てたら呪われそう』とかでなく『あ、いいな。少しとってお…

情報

スケッチ。朝散歩に行って、なんとなく気になったものを描いて帰る。 一筆描きの線を作って色を置いてる。線の横に色を入れているとき「今、なにか情報が失われた」と感じる瞬間がある。この瞬間が結構つらい。そのまま耐えて色を重ねていくと、ものが浮き上…

スケッチ

梅。小さいスケッチ。 鉛筆線を一筆で描くのが落ち着いてきた。 一筆書き、いいことがたくさんある。まず、集中できる。それから「線だ」と思ってたところが「実は線でなくてもいい」とわかったり「へー、こんなところに小さな突起がある」みたいな新しい発…

やっていく

時々電話してくれる友達から3年ぶりに電話がきた。「パンが宙に浮いている」という内容だった。Twitterで昨日の絵を見てくれていた。 ... 色々話した。 「これだけは言わせてくれ」 「うん」 「背景が白だと浮きやすい」 「白背景、あえてなんよ...」 「わか…

絵を仕上げた

絵を仕上げた。「もう少しだけ描きたい」と思った4枚をKITTEに持って行って、駅を見ながら描き込んだ。 今回は同じところから何枚も描いている。「そのままご覧いただくのもいいかな」と思ったけれど、世界堂の額装コーナーで額に入れる時、やっぱり最後まで…

山本有三記念館

山本有三記念館 (33.2 x 24.2 cm) ... 三鷹の山本有三記念館に行ってきた。絵の教室の友人さんに誘って頂いた。 実は今日まで「山本有三」がどんな人なのか知らなかった。 頭の中で「山縣有朋」と間違い続けていた...。 JR三鷹駅から歩いて五分くらいのとこ…

東京駅

東京駅 (33.2 x 24.2 cm) ... 東京駅は「特別になろうとした駅」だと思う。 1914年、日本がいわゆる「西洋に追いつけ・追い越せ」をやっていた頃、国家の威信をかけて建築された。八角のドームのあたり、完全な西洋風でない謎の趣がある。 建築探偵・藤森照…

絵を描く時間

1時間くらいでさらっと描くスタイルに憧れがあった。その場の何かを閉じ込めたような絵。魔法のように仕上がる絵。そういうスタイルに憧れて、外でのスケッチを1時間で完結させようとしていた。結果、なかなか仕上がらなかった。最初ビビりながらゆっくりは…

悲しい

玉川上水緑道 ? ... 玉川上水緑道を描きに行った。 ここまで描いて手を止めた。 自分の中で何かがしっくりきていない。 目の前の風景と全然違う。あるはずのものがない。 ... 絵をじっと見ていたら「いかがわしい」という単語が浮かんできた。 悲しくなって…

デビッド・マー「ビジョン」

2008年、アホな大学院生だった私は、神経科学者デビッド・マーの「ビジョン」を読んで「知るべき脳の全てはこの本の中に書いてある」と思い込んだ。 ビジョン―視覚の計算理論と脳内表現 作者:デビッド マー 発売日: 1987/10/01 メディア: 単行本 デビッド・…

島村楽器のピアノ

色試しの紙。 ... 駅ビルの休憩スペースでぼんやりしているとき、正面の島村楽器から電子ピアノの音が聴こえた。女の子が試奏用の電子ピアノを弾いていた。 女の子はしばらく軽快に弾き続けたあと、何か不協和音を弾いた。女の子は「あれ?」という感じで弾…

観光土産の絵

パリに行ったとき、テルトル広場の絵描きさんの出店で買った絵。 モンマルトル・サクレクール寺院が描いてある。さっぱりした感じの線と色。部屋の壁に飾っている。作業に詰まった時、この絵が目に入ると和む。向こう側にパリがある感じがする。 エッフェル…

スケッチと絵と

ご近所の公園にスケッチを取りに行った。 ... 部屋で色々考えたあと、外へ描きに行くと「まあ、考えたことはともかく、それはそれとして、さっぱり描けない」みたいな気持ちになる。この気持ち、大切にしていきたい...。ateliersalvador.hatenablog.jp

スケッチと絵

スケッチ: 京王相模原線多摩川橋梁。河原に降りて砂利の溜まった州のところから描いた。 ... 絵の教室の同じクラスに、スケッチとランニングが物凄く好きで、毎日、関東平野の広い範囲をランニングしながらたくさんスケッチをする方がいる。建物や乗り物を描…

「見て学べ」方式

レモン Lemons 15.4 x 14 cm ... レモンを描いた。 ... 3月、風景画のデモンストレーション製作の機会を頂けることになった。ありがとうございます。(※ 情勢によっては中止になる可能性があります。) 毎回、絵を描くたびいちいち手順に悩んでいるので、なん…

「何が正しいなんてないんですよ」

うろおぼえの川 ... 先日亡くなった研究派遣先の上司さんが、ある時ぼそっと「何が正しいなんてないんですよ」とおっしゃった。私は、その一言で納得した。お昼休憩の時間、食堂から居室に戻る時だった。絵のことについて話していたと思う。話の流れは思い出…

魂を

12月29日の日没前、是政橋の上で多摩川を描いていた。下書きを終えて、ちょうど紙に水を置き始めたとき「こんにちは」と声をかけられた。紺色のサファリハットを被った中高年の男性で、首から黒い一眼レフを下げていた。 ... 「あなた、絵を描いているんです…

頭の中から声がする (ロンドン研修の思い出)

Fortnum & Mason on Sunday Night (日曜夜のフォートナム&メイソン) 8年前の冬、ロンドンで描いた水彩画。 ... 「海外行くと人生変わるよ」と聞く。本当だと思う。私の人生も変わった。 2011年の6月から12月、当時東工大の学生だった私は、大学の博士一貫教…

多少は動けるようになった人

らくがき: なみだ (Doodle: Tears) 14.8 x 10 cm ... Blogを書いたり消したりしている。まとまったことが書けない。計算機は雷の日に落としたきりで止まっている。人間は、最近製作らしい製作をしていない。らくがきをしたり、海を描きに行ったり、海を見な…