首都高のゲート (33.2 x 24.2 cm)
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大森でのアートイベントのお手伝いの帰り「しながわ水族館の方に行ってみようかな」と思って、歩道橋を渡る途中で見た光景。
1時間くらいでさらっと描くスタイルに憧れがあった。その場の何かを閉じ込めたような絵。魔法のように仕上がる絵。そういうスタイルに憧れて、外でのスケッチを1時間で完結させようとしていた。結果、なかなか仕上がらなかった。最初ビビりながらゆっくりはじめて、最後慌てて雑になる。そのうち、気ばかり焦って描くのが楽しくなくなった。アホだった。私は「1時間で絵が描けるなんてすごい」みたいな「すごさ」の部分だけを真似しようとしていた。
場の雰囲気を感じて、その場で描く喜びを味わえば良いのだった。短時間で描くことは「その場の何かを閉じ込める」ための手段であって、目的ではなかった。描いた時間の長さがどうなるか、その時々で変わっていいし、なんでもいいのだった。
やってみて気づくことがたくさんある。アホだったけど、形から入ることもしないで、要はずっと描かずにいたなら、形にとらわれる機会すらなかった。だからこれでいい。色々描きたいものがあるし、色々な絵のスタイルがある。
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屋根の赤色を持ち帰りたい。
日本で最初の飛行機 (22.7 x 15.8 cm)
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「アンリ・ファルマン複葉機」を描きに行った。埼玉県・所沢市の所沢航空発祥記念館に展示されている。1909年(明治24年)にフランスで設計・開発、1機が日本に輸入され、1910年の日本最初の試験飛行で空を飛んだ。
なんだか現代の人間からすると、すかすかでちょっとびっくりする。フレームだけだ。これで空飛んだんだよなあ。
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所沢航空記念公園、久しぶりに来た。飛行機描くの楽しい。また来よう。
ザリガニ (10cm四方くらい)
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玉川上水を描きに行った。「どうもしっくりこないなあ」と思いながら描いていたら、横に小さい男の子が来て、いきなり「ザリガニー!」と言われた。横の水路でお父さんが釣りをしていて「あー!描いてるところすいません!ザリガニ見せたいみたいで...」と言われた。男の子がまた「ザリガニー!」と言って、バケツに入ったザリガニを見せてくれた。「..よーし、じゃあ絵描きザリガニ描いちゃうよ!」ということで、描いた。
「ここにハサミがあるよなあ、なんかがこう、ビヨーンと出てて...足の数が」「4本!」みたいなやり取りをしながらザクザク描いた。お父さんが「おー!ザリガニですね!」と喜んでくれた。男の子はずっと「ザリガニー!」と言っていた。
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家に帰って「あ、そうか、目の前のものを描けばいいんだ」と思った。