絵を描く時間

1時間くらいでさらっと描くスタイルに憧れがあった。その場の何かを閉じ込めたような絵。魔法のように仕上がる絵。そういうスタイルに憧れて、外でのスケッチを1時間で完結させようとしていた。結果、なかなか仕上がらなかった。最初ビビりながらゆっくりはじめて、最後慌てて雑になる。そのうち、気ばかり焦って描くのが楽しくなくなった。アホだった。私は「1時間で絵が描けるなんてすごい」みたいな「すごさ」の部分だけを真似しようとしていた。

場の雰囲気を感じて、その場で描く喜びを味わえば良いのだった。短時間で描くことは「その場の何かを閉じ込める」ための手段であって、目的ではなかった。描いた時間の長さがどうなるか、その時々で変わっていいし、なんでもいいのだった。

やってみて気づくことがたくさんある。アホだったけど、形から入ることもしないで、要はずっと描かずにいたなら、形にとらわれる機会すらなかった。だからこれでいい。色々描きたいものがあるし、色々な絵のスタイルがある。

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屋根の赤色を持ち帰りたい。 

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