近況 (と妄想)

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らくがき Doodle

はがきサイズ (10 x 14.8 cm)

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製作の手が止まりかけている。すみません。応援してくださる皆様、いつもありがとうございます。(雑記を書くのは、だいたいひよって手が止まりかけている時です。)

らくがきばかり描いてしまう。描こうとしてもすぐ集中力が切れて、Twitter・Facebook・Instagramを巡ってしまう。そして古今東西の絵描きさんの絵がUPされてるのを見て、あ、もうこんなに世界に絵がある、自分がもう一つ絵を増やさなくてもいいか、とか思ってしまう。加えて、アトリエの隅で計算機が色々出してくるのを見て、あ、これはもうすぐ絵を描く機械ができあがる、こんな何かを出してくるなら、人間の手で描かなくてもいいんじゃない、とか思ってしまう...。

こういう時はとりあえず、映画の「タイタニック」で絵描きがヒロインを描くシーンのことを思い出す。ああいう素敵な瞬間に素敵な絵を仕上げたい。そのために「何でもない普通の毎日」をどう過ごすか。当日「黄色の絵の具がない」とか「筆先が全部裂けてる」とか「根本的にデッサンがだめ」とかはまずい。まあ黄色の絵の具については、なくてもなんとかするかもしれない。紙白と青紫を使って...。妄想がはかどる。でもきっと「ひよって描かない」のが一番まずい。だめでもなんでも、とにかく勢いつけて描く習慣はあった方がいい。「その日」は来るかもしれないし、来ないかもしれない。実はもう来て去っていったのかもしれない。けれど「来る」と思って描いているなら、毎日の描く姿勢も変わる、気がする。

 

「うちの計算機が私を真似て描こうとした絵」

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「うちの計算機が私を真似て描こうとした絵」

思ったよりきれいでびっくりした。スタイルデータとして入れている絵 (水彩) のきれいな部分を、コンテンツデータ (写真) のきれいな部分とうまく置き換えている感じがする。雷が鳴って不穏だったので、一度GPUマシンの電源を落とした。再開時期は未定。

頭がぐるぐるする。プログラムを組むのと絵を描くのと、同時にできない。

 

ユリの研究 (3)

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ユリの研究。はがきサイズ。

6つついていたつぼみが徐々に開いてきた。おおよそ1日に1つ咲く。咲くたびにおしべを取っている。

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ユリについてのWebサイトを読んだ。

ユリは江戸末期以降、日本から海外へ多く輸出され、珍重されていたそうだ。現在花屋で流通する品種改良されたユリは、日本と中国の野生種を源流に持つものが多いらしい。

hanajikan.jp

古くは『古事記』『日本書紀』にも登場し、奈良時代には歌にも多く詠まれました。園芸が大流行した江戸時代には、園芸品種のスカシユリが百数十品種も誕生。ユリは日本人に愛されてきました。

そんなユリを江戸時代の末期、アジサイなどの植物と一緒にヨーロッパに持ち帰ったのが、かのドイツ人医師シーボルトでした。カノコユリ、テッポウユリ、スカシユリなどの球根が海を渡りました。チューリップの球根1球が高級邸宅の価格に匹敵した、17世紀前半のチューリップ狂時代には及びませんが、カノコユリは宝石のルビーに例えられ、同じ重さの銀と同等の価格で取引されたとか。 ‟日本のユリは際立って美しい”と言われ、人気を呼びました。

江戸末期には、早くも外国人商館によるユリの球根貿易が始まります。横浜や静岡周辺の山で採取されたヤマユリ、ササユリ、オニユリなどが、横浜港から輸出されました。

明治に入ると日本人による貿易会社が誕生。ユリを描いた海外向けのカタログを制作し、種類豊富な日本のユリを紹介しました。明治時代の末、輸出球根の筆頭はヤマユリからテッポウユリに代わり1937年にピークを迎えます。全種類で4千万球以上を輸出し、世界のユリ需要の90%を日本のユリが占めたほど。ユリは生糸に迫る外貨獲得の花形になり、“ユリで軍艦を造った”といわれるほど日本の経済力、国力に影響を及ぼす存在となりました。

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貿易の歴史は面白い。

黄色いばら

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水彩スケッチ: 黄色いばら (Watercolor sketch: A yellow rose) 

はがきサイズ小

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ざっくりスケッチ。花屋さんでユリといっしょに買ってきた。「ひよこ」という名前らしい。かわいい。ちょっとたんぽぽみたいだ。

 

 

ユリの研究

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カサブランカの研究 (A study of Lilium Casa Blanca)

9 x 13 cm

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笠井先生の教室でいつもユリが描けない。変な話、バラの花は「なんとなく筆を振り回す」だけでバラらしくなることがある。ユリでは、そうなった試しがない。もう少し考えて筆を動かさないと、ユリが紙の上にこない。

花屋さんで1本買ってきた。思った以上に大きい...。

ja.wikipedia.org

 

紫の花と枯れた赤い花

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紫の花と枯れた赤い花
(Violet Flowers and Withered Crimson Flowers)
36 x 51 cm
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横浜画塾・笠井先生の教室で描いた静物画。何の花なのかわからない。色がとてもきれいだったので、何とか色だけは残したかった。

あと少しで何かわかる気がする、でもわからないかもしれない...

 

絵の完成

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静物画の習作 (A study of still life painting)
45 x 31 cm

横浜画塾・笠井先生の教室で描いた静物画。先生から講評を頂いた後、持ち帰って描き込んだ。

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絵を終わらせる過程はとてもつらい。途中で手を止めて、最後まで描ききらなければ「これが完成したなら、きっと素晴らしい絵になるだろう」という夢を見たままでいられる。手を入れ続けたり、人に見せたりすれば、現実と向き合うことになる。いつまでも夢を見ていたければ、終わらせずにとっておいた方がいい。でも、きっと健康を害する。以前、研究論文を書いていた頃、似たようなことをやらかして最終的に健康を害した (動悸が止まらなくなった) 。

「完成度を上げる」ためには「完成させる」を繰り返すのがいい。最初の「完成度」は物理や技術の問題だけれど「完成させる」は「終わらせる」「手元から離す」という意志の問題になる。とにかく、完成度を上げるためには、自分の現実と向き合い続けるしかない。