玉川上水緑道 (33.2 x 24.2 cm)
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玉川上水に行ってきた。
玉川上水の若木は幹がひょろ長くて、緑道にまっすぐ枝を突き出してくる。木の多いところに落ちたどんぐりは、芽吹いてすぐに丈を伸ばさないと、先に伸びた木に光を奪われて成長できない。結果、上水沿いにはすぐに幹が伸びる木ばかりが残る。道に向かって突き出した枝が多いのは、道には大木がないので光が取りやすいからだ。木は、光がよく当たる枝だけ大きく育て、光の当たらない枝は枯らすらしい。 (このWebサイトがとても勉強になった。: 木の形作りと資源獲得)
木を見ると「必死に生きてるんだな」と思う。
私は、何か明るいものがあると、暗い側を見たくなる。こもれびを見るときも、こもれびの「少し暗い側」を見たくなる。こもれびの形は、木々が競争し、光を取り合った結果だ。「さわやかに描いた方がいいのかな」と思いつつ、私はどうしても、そちら側が描きたくなる。
きょう、そんなことを考えながら描いていたら、虫取り網を持った男の子が「うおー!なんだ!!ゲージュツ家がいる!ゲージュツ家だ!」と言いながら、こっちに向かって走ってきた。「え?え?」と言ってるうちに、網を持った3人の男の子に囲まれてしまった。
「ゲージュツ家じゃん!絵描いてるよ」
「おれ、こういうところで絵描いてるやつはじめて見た」
「いるところにはいるんですよ (やつってなんだよ...)」
「木描いてる」
「木じゃん。なんかすげえなあ」
「うん。すげえ。これすげえよ」
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「よくわからんけど、なんかすごい」と思ってもらえるなら、とても嬉しい。
これからも、色々ごちゃごちゃ考えて、よくわからない絵を描くだろうけど、感じたこと、思ったことを素直に描いていきたい。