2019年 5/3(金), 4(土) ,5(日) 井の頭公園アートマーケッツに「アトリエ・サルバドール」出店します。水彩画のポストカードと「うろおぼえポストカード」(なんとなくその場で描く、ポストカードくらいのサイズの水彩画) を販売します。11時から16時までです。どうぞお立ち寄りください。おおよその場所はこちらです。
今回、アートマーケッツの各お店では、アートマーケッツに関する簡単なアンケートの用紙をお配りする予定です。もし良ければご協力頂けると嬉しいです。
2019年 5/3(金), 4(土) ,5(日) 井の頭公園アートマーケッツに「アトリエ・サルバドール」出店します。水彩画のポストカードと「うろおぼえポストカード」(なんとなくその場で描く、ポストカードくらいのサイズの水彩画) を販売します。11時から16時までです。どうぞお立ち寄りください。おおよその場所はこちらです。
今回、アートマーケッツの各お店では、アートマーケッツに関する簡単なアンケートの用紙をお配りする予定です。もし良ければご協力頂けると嬉しいです。
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7日目。市内を巡る最終日。
港に行って、最後にアムステルダム中央駅を描きに行く。
スケッチセットに「レンガっぽい色」を補充。
よし、描こう。
オランダ海洋博物館 (Het Scheepvaartmuseum) へ行く。17世紀当時の海軍の建物の中に、オランダが貿易で栄えていた頃の資料が集まっている。
東インド会社「アムステルダム号」のレプリカが係留されている。
船員の部屋。せまい。とんでもなく大変な船旅だったろうな。ここの港から、長崎の出島にも船が来ている。
クジラと人類の戦いの歴史をまとめたコーナー。今でこそクジラは「保護の対象」だけど、かつては「得体の知れない海の悪魔」で、海で出会えばやるか船がやられるかだった。現代でも時々船とぶつかってニュースになっている。
航海に出た船員達が、海上での有り余る時間を潰すために作った品々。ボトルシップがある。暇だったろうなあ。ペンギンやオットセイの置物がかわいい。
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隣接している科学博物館 (NEMO Science Museum) に寄ってみた。
最上階のカフェテリアから港を望む。
40分くらいの水彩スケッチ。鉛筆の線を引かずに描いてみた。
手前の赤い建物は中華料理屋さんらしい。
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描き終わって館内の展示を見に行く。
あっ!これはアーチ橋のモデルだな!?
全部のパーツを上に引っ張って壊した。
アーチ橋は下に踏んでも壊れない。逆に楔がかむように安定する。
作り直した。建設予定地に「型」(手前右のパーツ x 2) を向かい合わせに敷いてから、上にブロックを並べ、最後に型を引き抜くとできる。
(YouTubeにアーチ橋の作り方の動画があった。 )
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スポンジでダムを作って発電タービンを回す展示。
低地オランダの科学博物館、治水に関する展示が充実していた。
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博物館を出た。しばらく街を歩いてから、意を決してアムステルダム中央駅へ...。
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2時間くらい描いたかもしれない。
アムステルダム中央駅 (Amsterdam Centraal Station)。1889年に開業した、オランダの中心的な鉄道駅。
美しい駅。自分の目で見てみたかった。
オランダに行ってみたいと思ったのは、土曜の夜のテレ東の「美の巨人たち」でこの駅を取り上げていたからだった。
見ていると、やっぱり東京駅を思い出す。東京駅の開業は1914年。建築探偵・藤森照信先生が「どの角度からのぞいても似ているふうには見えない」と書いていたけれど、自分には、どうしても東京駅と似ているふうに見えてしまう。こういう色の資材を使って、ひとつながりの建物の形をとって、細長いプラットホームを覆うなら、似せた訳ではないとしても似ているように見えてしまうのかもしれない。でも、この駅は街や運河と雰囲気が合うからいいな。東京駅は色々と事情が違う。
今度東京駅を描きに行こう。
ありがとうオランダ (Dank u well Holland) これで思い残すことなくJapan (ヤパン) に帰れます...。
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8日目最終日。スキポール空港。
ひこうき描いた。
出発エリアから見える飛行機。5分くらい。
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楽しかった。本当にいい旅でした。
また少しずつ、思い出しながら絵にしていきます。
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6日目。残り2日。
スケッチセットはこんな感じになった。ホワイトのチューブが重かったので、中身を別の場所に出してかさを減らした。
ヴァン・ゴッホ美術館とアムステルダム国立美術館 (Rijksmuseum) に行く。ミュージアム広場 (Museumplein) という公園をはさんで隣接している。
ヴァン・ゴッホ美術館は撮影禁止だった。
スケッチなら取ってもいいかな。
描いているとき、何人か話しかけられた。女性の方が一人、延々知らない言語で話しかけてきて大変だった。しばらくして「どちらの国ですか」と英語で聞いたら「フランスです。簡単な英語なら話せる!」と英語で言われた。そうでしたか。
ゴッホ先生、ほとんど水彩画を描かなかったらしい。4階の隅に1作だけ、公園の木を描いた水彩が展示されていた。美しかった。でも、その1作以外は描かなかったらしい。どういう画材が自分の肌に合うか、人によって全然違うんだろう。
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アムステルダム国立美術館に移動する。
あっ...牛乳を注ぐ女
牛乳を注ぐ女だ...。贅沢な旅になってしまった気がする。
夜警。高校の世界史の資料集で見た。
今、夜警 (絵画) - Wikipedia を見ていたら "通称の『夜警』は長い間、この絵画の内容によく合ったものと考えられてきたが、これは絵画の表面が茶色く変色したことによる誤解である。実は、この絵画は昼の情景を描いている。" と書いてあって、ちょっとびっくりした。
絵の解説文に「オランダの黄金時代」を懐かしむ記述が多い。アムステルダムという街は、人類史において「絶頂期を経験し、現在は役割を終えた街」なのだと思う。自分はそういう国や街が帯びる"穏やかさ"が結構好きだ (この感覚は、京都で生活したことと関係するかもしれない。)
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歩いてアムステルダム中央駅方面に向かう。市内はあまり広くないので、運河を辿っていけばすぐに着ける。
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アムステルダム中央駅構内。
駅ピアノ。どうしてもあのピアノに触りたい...。しばらく待つ。
順番待ちの間、自分の前に弾いていたお兄さんを描いてみた。
お兄さんの背景を暗くしようとして、あちこち大変なことになる。思ったような暗さにならない。絵を見ながら落ち込んでいると、ピアノを弾き終わったお兄さんが近くに来て「これ僕?描いてくれたの?ありがとう!」と言って、喜んで写真を撮って去っていった。
お兄さんのあとに「猫ふんじゃった」を一回弾いて、周りの人から拍手をもらった。
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ホテルに戻り、再び落ち込む。現場スケッチで人を描くなら「失敗」は許されない。つまり、絵描きが「失敗した...」と思っても、中に描かれた人に、そんなこと言えない。
(7日目/8日目最終日に続く)
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ぽつぽつ書き進めていきます (7日目が最終日です)。
空港の買い物エリアにKLMの飛行機のカットモデルがいた。きれいな空色だ。
5日目。今回ぜひ行きたいと思っていた「アルスメール生花中央市場」に向かう。空港前からバスを乗り継いで40分、朝7時くらいについた。市場の朝は早い。
Twitterで現地レポートした。
アルスメール生花中央市場 (Flora Holland Aalsmeer) に行ってきた。オランダ・スキポール空港の南にある世界最大規模の花の輸出センター。管理用のコンテナに乗った花や鉢植えが市場内をあちこち移動し、準備できしだい航空便で旅立つ。 pic.twitter.com/IQNCI1pZqB
— ますとみけい : 水彩絵描き (@kei_masutomi) 2019年4月16日
よくぶつからないよなあ...。 pic.twitter.com/R7w1VPmqzX
— ますとみけい : 水彩絵描き (@kei_masutomi) 2019年4月16日
描いてみた。動き回るターレを追うのが難しい。
絵だけだと何のことか全然わからない。でも描くのは楽しかった。
市場を出て、チューリップ畑で有名なキューケンホフ公園に向かう。
チューリップ!たくさん咲いてる。
公園内の運河を行くツアーに参加して、その間にスケッチを取ってみた。乗ってる人を描くだけで色々目一杯で、気づいたら元の船着場に戻っていた...。45分。あっという間だった。
キューケンホフ公園も色々素敵な風景が多かったので、また絵に描きたい。
スキポール空港そばまで戻り、この日は終了。なんとなくオランダに慣れてきた気がする。(残り滞在2日)
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滞在3日目にして、ようやくスケッチセットが整った。
4日目の朝。
デルフトを出発する前に、ずっと気になっていたかわいい風景を描いてみた。1時間くらい。
結構それっぽい!嬉しい。この素敵さ。これは、元々の風景が素敵だからだ。最初から絵みたいな色してるからなあ。自分の家も工夫してみようかな。
デルフトを出発。電車で15分くらい移動する。
ロッテルダム中央駅 (Rotterdam Centraal Station) に到着した。
駅...ですよね...?
観光名所のマンション「キューブハウス」。
中に入れる部屋があったけど、すぐ出た。壁のつき方が平行でないので、中にいるだけでどんどん不安になってくる。こんなところ住めない。
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ロッテルダムはオランダ第二の都市。国際河川・ライン川の河口付近に位置する、世界でも有数の港湾都市。全体的に謎の形の近代建築が多い。第二次大戦中にナチス・ドイツの徹底的な爆撃を受けて街が壊滅している。直後、オランダはドイツに降伏した。
大戦が終わって「新しい街を建て直そう」ということになり、他の古い都市では試せないような、挑戦的な近代建築を試す格好の場となったらしい。
商業施設・マルクトハル (Markthal)。世界の名産品を集めた市場。
壁や天井の部屋はマンションになっている。中野ブロードウェイと似てる。
マーケットの果物屋さん。15分スケッチ。
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近くにロッテルダム図書館があったので行ってみた (写真撮り忘れた)。
ロビーに大きなチェス盤があって、2人が対戦していた。30分くらいのスケッチ。
港はいいなあ...。印象的な風景が多かったので、また絵に描きます。
電車に乗って、スキポール空港そばまで戻る。
(5日目へつづく)
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記憶が薄れないうちに、何日分か書いてしまうことにしました。
3日目。オランダのデルフトという街にやってきた。水運の街、フェルメールが暮らした街、白地に紺のデルフト陶器の街、ノーベル賞受賞者3名を輩出する名門デルフト工科大学の街、そして、ややマニアックですが、人類由来の巨大爆発史に名を残す「デルフト大爆発 (1654年5月18日)」が起きた街でもあります。
(人によって引き起こされた核爆発以外の大爆発一覧 - Wikipedia)
絵の具ケース。様子を見ながら少しずつ色を足していくことにした。
それから、どこかで画材店を見つけて「ちょっとの時間で描ける」ような小さいスケッチブックを買うことにした。
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あっ顔出し看板!大好きです!
フェルメールが所属したギルドハウスの跡にある「フェルメールセンターデルフト」に行った。現状見つかっている全34作品の実物大パネルをじっくり見ることができる。あらためて全作並べて見ると、どの絵もそこはかとなくあやしい気がする...。どうあやしいか...うーん、なんかちょっとあやしい。わかりますか。
フェルメールの生家「空飛ぶキツネ亭」。ホテル兼レストランになっていた。1階のレストランでサンドイッチを食べた。おいしかった。
店員さんに文房具店のある通りを教えて頂いた。
文房具と本の店。店頭にコピックの広告が出ていた。本のコーナーには理工系の専門書が多い。さすがデルフト工科大の街。
店内を色々見て回って、最終的にモレスキンの手帳サイズのスケッチノートを買った。多分描ける。以前笠井先生が旅先でスケッチを取っているのをBlogで見た。
デルフト陶器の工房「ロイヤル・デルフト」に行く。15世紀にオランダ東インド会社が香辛料などの商品を入れるコンテナとして、中国陶器を持ち帰った。その後、むしろコンテナ自体の方に人気が出て「似たようなものをオランダでも作ろう」となったのが発祥らしい。パクリ...。でも文化の伝達ってそういうものなんだろう。
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じゃあ短時間スケッチいってみよう...。
併設のカフェのテーブルを飾るチューリップ。デルフト陶器に生けてある。
それっぽい。これはいけるかも。でも思ったより紙が弱い。擦ると表面が破れそう。
旧市街に戻って、運河の端の古い見張り台を描いてみる。
結構それっぽい。こういう写真、Instagramで見たことがある。
らしくなってきた気がする...(4日目に続く)
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スケッチ自体の紹介より、旅行記っぽくなりつつありますが...。
2日目。ベルギー・アントワープ中央駅を見に行った。
宮殿のような姿をしている。
プラットホーム。深さがある。通り抜けをする路線は地下に潜っている。
とりあえず線で描いてみるも、描けない...。
スキポール空港での反省をもとに、まずスケッチセットを再構成することにした。レンタル自転車で近くの画材店に行った。
屋外スケッチに向いてそうな金属ケースを手に入れた。裏面にリングがついていて、片手で固定できる。10ユーロ。
上のケースと同じくらいのサイズで、スキットル水筒が一体化しているタイプのものがあった。注ぎ口を覆う金属カバーが筆洗として使えるようになっていた。かっこよかった。今思うと、やっぱちょっと欲しかった。
練り消し・フルパンケース・ハーフパンケース・W&Nの15mlチューブも買ってきた。15mlチューブ、日本の店頭ではなかなか見かけない気がする。
よく使う6色をフルパンケースに詰める。広く使いたかったので、ケース固定用の金具は外してしまった。マスキングテープを輪っかにして、ケースを直接貼り付けた。
じゃあいってみよう...。
ベルギー・アントワープ中央駅のプラットホーム (F4: 33.3 x 25.2 cm)。
描くことは描いた...。トータルで2時間半くらいかかった。
駅から電車に乗ってオランダに戻った。 (3日目につづく)
旅から戻りました。旅の途中で描いた水彩スケッチについてまとめていきます。おおよそ1日1-2作のペースです。
[1日目]
オランダ・スキポール空港の到着ロビー (22.7 x 15.8 cm)。あまりの描けなさ具合にびっくりした。まず、描きたい人がどんどん動いて行ってしまう。止まっている人も、鉛筆で線を描いているうち、やっぱりどこかへ行ってしまう。足元に置いた荷物も気になって仕方ない。昔ロンドンの街中で金品を取られそうになって、海外での手回品には気をつけるようになった。筆洗がわりの登山用の水筒も、蓋が開きにくくて筆がすぐ洗えない。そもそも、持ってきた2つ折り水彩パレットがどうも「しっくりこない」状態だった。
絵の具の並びを、粒子の小さい有機顔料系 (上段左) 、マスキングインキ (下段最も左)、粒子の大きい無機顔料系 (下段左)、ハイライト用の不透明色 (上段右) という構成にしていた。作ったはじめは「機能的」と思っていたけれど、しばらくして、パレットを開けるたび憂鬱な気持ちになった。なぜだか気持ちが動かない。化学の知識、筆を動かすとき全然いらない。でもまあせっかく作ったし、高い絵の具がもう少し減るまで使おうと思ってオランダまで持って来たけれど、上の絵があまりに描けなさすぎて、ついに「やってられるか」と放棄を決めた。
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電車に乗ってベルギーのアントワープに移動した。オランダ・ベルギーの国境ではパスポートチェックがない。隣県に行くような感覚でベルギーに入った。
(つづく)
ベルギー・オランダに旅行に来ています。2国間の鉄道移動が「県境を挟んで隣の街に行く」度の簡単さで驚きました。いつも使っている絵の具・パレット・紙を持って行ったのですが、落ち着いて描けず、結局すべてスーツケースに移して画材屋さんで見つけたポケットサイズのパレットにパンケースとチューブの絵の具、手帳サイズの紙に描いていくことにしました。WiFiを見つけたタイミングで細々とTwitterにアップします。4/19に戻ります。
グロリオーサの花 (35 x 48 cm)。横浜画塾・笠井先生の教室で描いた水彩。持ち帰って仕上げた。きょう終了した教室展 (第11回横浜画塾展) の後、頂き物の花籠の中にグロリオーサが何本かあったので、先生から許可を頂いて1本持ち帰った。その持ち帰った株を見ながら描いた。
グロリオーサは熱帯原産のユリの近縁種 (イヌサフラン科) 。ユリの花弁が上側にひっくり返ったような形の花をつける。花の下側から6本の雄しべと1本の雌しべが伸び、雌しべは途中から直角に近い角度で曲がる。なんだか分からないけれど不思議な花だ。色も強くて苛烈な印象だった。とにかくそういう感じで描いた。
個展や教室展が終わると、自分がどういう絵描きなのか考えてしまう。とりあえず、自分は花を"穏やかな感じ"で描けない。園芸種に加わった人為操作の歴史、元の野生株が選んだ生存戦略、そういうことに思いを馳せながら花を見ている。結果変な筆致が加わる気がする。
つぶあん入り生八ツ橋 (19.5 x 14 cm)。駅ビルのスーパーマーケットで買ってきた。半不透明の八ツ橋の向こうに餡子が透けていて、見ていて何となく楽しい。
スーパーのおやつコーナーの通路をぶらぶらしていて見つけた。
桜の枝 (13.5 x 18.5 cm)。駅の花屋さんで買ってきた。
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去年の今頃、井の頭公園でお世話になっているさぶりゆきこさんが桜のスケッチをグループ展で展示していた。素敵な絵だった。紙白の多い小さな絵で、桜が紙の向こうに「本当にある」感じがした。さぶりさんはじっくり観察して、丁寧に鉛筆と筆を動かす。自分がつい適当に描いてしまうかもしれないところを、さぶりさんはひとつひとつ丁寧に追う。
以前、戦艦画を描く画家の方とお話をしていて「絵が雑になってしまうんですが、どうしたらいいでしょうか」と尋ねた。その方は「描く対象に敬意を払うんです。そうすれば自然と整ってくる」とおっしゃった。
自分は、描く対象を敬っていないのか...。分からない。技術が足りないのか。見る力がないのか。「敬わない」ことで何かを表そうとしているのか (この世には、そういう絵があると思う)。それとも、単に雑なのか。何を大事にするかは、絵描きによって全然違う。自分が大事にしているものは何なのか。自分はまだ言葉にできていない。例によって、言葉にするのが恐ろしい気がする。